北海道はなぜ「県」ではなく「道」なのか?日本と韓国の「道」から読み解く歴史と共通点

韓国ドラマ「サイコだけど大丈夫」のロケ地をしらべてみると、あの病院のロケ地はとてもおしゃれなカフェでした。江原道강원도(カンウォンド) というところにあります(ハングル講座で出てきた鼻音が2つ)。韓国は「道」という行政単位。

ところで、日本の都道府県の中で、なぜ「北海道」だけが「県」ではなく「道」なのか、不思議に思ったことはありませんか?実はこれには、歴史的な背景とアジアの行政制度の共通ルーツが深く関わっています。今回はその由来をひもときつつ、韓国との比較や、古代日本の行政制度「五畿七道」についても詳しくご紹介します。


目次

北海道はなぜ「県」ではなく「道」なのか?

明治政府の意図と特別な位置づけ

北海道は1869年(明治2年)、それまで「蝦夷地(えぞち)」と呼ばれていた土地を本格的に日本政府が統治する際、「北海道」と命名されました。この命名を提案したのが、探検家・松浦武四郎です。

「道」という名前は、当時の日本で使われていた「東海道」「山陽道」などの広域区分からヒントを得て、特別な意味合いを持たせるために用いられました。北海道はもともと日本本土とは異なる文化・地理的背景を持っていたため、「○○県」とするのではなく、新たな区画として特別に位置づけられたのです。

「道」はなぜ使われた?

明治時代の政府は、北海道を単なる地方自治体ではなく、開拓・軍事・外交の拠点と見なしていました。そのため「県」制度に含めるのではなく、広域かつ戦略的意味を持つ「道」という区分を採用したのです。


韓国にも存在する「道」:日本との共通点とは?

実は日本だけでなく、韓国でも「道(도)」という行政区画が今も使われています。これは日韓ともに、古代中国の行政制度の影響を受けているからです。

韓国の「道(도)」の一覧(2024年現在)

韓国の道名読み方備考
京畿道キョンギドソウル首都圏を囲む地域
江原道カンウォンド北東部、山岳地帯が多い
忠清北道チュンチョンブクト内陸部
忠清南道チュンチョンナムド西部海岸地域
全羅北道チョルラブクト農業地帯が中心
全羅南道チョルラナムド温暖な気候の南部地域
慶尚北道キョンサンブクト伝統都市が多い
慶尚南道キョンサンナムド釜山や工業地帯が隣接
済州特別自治道チェジュトクピョルチャジド済州島、観光の要所

日本と韓国の共通点

  • 両国とも、古代中国の「道(広域行政区画)」の概念を受け継いでいる。
  • 古代~中世にかけて成立した制度が、現代まで名称として残っている。
  • 「道」は国全体を区分けするための広域行政単位として使われている。

古代日本の「五畿七道」とは?

「道」はもともと地理・軍事・行政の単位

「五畿七道(ごきしちどう)」は、奈良時代に整備された日本最古の広域行政制度です。当時の中央集権体制を支えるため、都(奈良の平城京)を中心として、全国を広域的に区分しました。

五畿(ごき)

都を取り巻く5つの重要国(畿内)で、朝廷の直轄地に近く政治的・経済的にも中枢を担っていました。

  • 山城国(京都)
  • 大和国(奈良)
  • 摂津国(大阪北部・兵庫東部)
  • 河内国(大阪東部)
  • 和泉国(大阪南部)

七道(しちどう)

以下の7つの「道」は、それぞれが地理的なブロックとして、また官道(官用道路)のルートとして機能していました。

道名主な地域特徴
東海道太平洋沿岸(伊勢・駿河など)交通・物流の大動脈
東山道内陸部(信濃・陸奥など)軍事ルートとして重要
北陸道日本海沿岸(越前・越後など)豪雪地帯が多い
山陰道日本海側(出雲・石見など)比較的孤立した地域
山陽道瀬戸内海側(備前・長門など)九州方面の要路
南海道紀伊~四国~南海諸島海上交通との連携あり
西海道九州・壱岐・対馬対外防衛・外交の拠点

この「道」の制度が、明治時代の北海道命名にまで影響していると考えられています。

ちなみに、ソウルが属する「京畿道(キョンギド)」は、日本の「畿内(きない)」に相当するもので、「王都(首都)を中心とした直轄・重要地域」という概念に基づいていて、日本と同じ発想ですね。


まとめ

  • 北海道が「県」ではなく「道」なのは、明治時代の特別な開発・統治の意図による。
  • 韓国にも「道」という行政区画があり、日韓ともに古代中国の制度の影響を受けている。
  • 古代日本の「五畿七道」は、交通・軍事・行政の基盤として全国を区分けした制度であり、北海道の「道」のルーツとも重なる。

📌 歴史を知ることで、普段何気なく使っている地名の奥深さに気づくことができます。
次に旅する時は、その地名がどんな意味や背景を持っているか、ぜひ思いを馳せてみてくださいね。

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